本研究は、インド仏教論理学の大成者ダルマキールティの第二の主著『プラマーナ・ヴィニシュチャヤ』のチベット人による以下の註釈書8点のテキストデータと、その詳細な内容目次(科段)の比較対照表を提供することによって、インド仏教論理学の研究者およびチベット論理学の研究者がこれらの注釈文献を容易に参照できる基礎資料を提供することを目的とする。

  1. ゴク・ロデンシェーラップ
  2. チャパ・チューキセンゲ
  3. ツァンナクパ・ツォンドゥーセンゲ
  4. チャンチュプセンパー・ジュニューナシュリー
  5. チュミックパ・センゲペル
  6. チョンデンリクレル
  7. ポトン・ジャンペーヤン・ショレワ
  8. プトゥン・リンチェンドゥップ

 この目的のために、概ね以下のような年次計画で研究作業を進める。

  1. 草書体写本2点と木版本2点の未入力文献の入力を進める。【平成29・30年度】
  2. 既入力文献のテキストの校正とページ・行番号を追記をし、プログラムおよびデータを含めて、KWIC検索の精度を向上させる。【平成29年度】
  3. 科段を抽出・整理し、原典である『プラマーナ・ヴィニシュチャヤ』の対応箇所を調査する。【平成30年度】
  4. 注釈書9点の科段に、原典の対応箇所を注記した科段対照表を作成する。【平成31年度】

 これらのうち可能な作業は最初の年度から着手することで、予想以上に困難な事態に対処できるようにする。科段が錯綜していて一貫した構造にならない場合には、上位の階層で止める。原典の対応する箇所が見つからない場合、内容を正確に読み取って判断する。木版本2点の分量が多いので入力が終わらない場合には、古い方の文献を優先しゲルク派のものは割愛する。

 以上の研究を遂行するに際し、研究代表者福田は主にチベット文献の処理の仕方を策定し、全体の進行の総括を担当する。研究分担者石田は科段と原典の対応の調査に当たる。研究協力者崔境眞はテキストの校正や科段の整理を担当する。チベット人の研究協力者松下賀和は草書体テキストの入力に当たる。